アーユルヴェーダと体質

アーユルヴェーダでヴァータ体質の人の特徴!食事や運動の仕方も

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インド生まれの伝承医学「アーユルヴェーダ」では人も自然の一部と捉え、自然環境と同じエネルギーが私たち人の体にも養われているとしています。

中でも、アーユルヴェーダで「風」を象徴とするヴァータ体質の方は特に生活習慣の乱れに弱い傾向にあるので、ヴァータ体質の方の性格や体格など、特徴をチェックしていきましょう。

そして、アーユルヴェーダでヴァータ体質の方の体質改善に良い食事とスパイス、朝食の工夫、オイル、生活習慣やヨガ、運動、適職は何かといったことも気になりますよね。

そこで今回は、アーユルヴェーダでヴァータ体質の人の特徴と食事や運動の仕方などについて詳しくお伝えしていきます。

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目次

アーユルヴェーダでヴァータ体質の分類や特徴!ぴったりな職業も

アーユルヴェーダのヴァータ体質は主に3つに分類される!

誰かにおすすめされたり、「アンチエイジングにぴったり!」といううたい文句がついた食べ物などを食べても、今ひとつ自分に合わない感じがしたり、逆に体調が悪くなった経験はありませんか?

インド生まれの伝承医学「アーユルヴェーダ」では、

「万人に良い(または絶対的に悪い)食べ物はない。あなたに合う(または合わない)食べ物があるだけである」

としています。

そのために、自分の体質を知って、自分に合った食べ物や運動、生活習慣を取り入れることで、未病に備えることができるようになるのです。

そして、この個人の体質というのをアーユルヴェーダでは心と体の基本的な性質を表す3つの体質(=ドーシャ)である

・ヴァータ

・ピッタ

・カパ

で説明しています。

そして、人間も自然の一部で、人の体の中にも自然環境と同じエネルギーが養われているとしていますから、ヴァータは風のエネルギーを象徴とし、ピッタは火のエネルギー、カパは水のエネルギーを表すとされているのですね。

ちなみに、多くの人はこの3つのドーシャのうち、優勢な一つ、ないし二つのドーシャに主に影響されるので、ヴァータ体質の場合、

・ヴァータのエネルギーが最も優勢なヴァータ体質

・ヴァータのエネルギーの次にピッタのエネルギーが優勢なヴァータピッタ体質

・ヴァータのエネルギーの次にカパのエネルギーが優勢なヴァータカパ体質

の3つに分けられます。

アーユルヴェーダのヴァータ体質の特徴は性格が明るく、痩せ型体質、でも疲れやすい!

「風」を象徴とするヴァータのエネルギーは、自然環境で風を観察するとわかる通り「動き」がテーマです。

そして、起床から就寝まで、体のあらゆる組織が滞ることなく動いているのはヴァータによるものとしています。

そのため、就寝前の神経の働きや、栄養や呼吸、水分を運ぶ働き、他者とのコミュニケーションなどなど、私たちがとどまることなく変化していけるのはこのヴァータエネルギーのおかげなのですね。

こうしたヴァータエネルギーが多いヴァータ体質の人の特徴を改めてまとめると、次のとおりになります。

・生まれつき痩せ型で骨が細く華奢で、手足は冷たく冷えやすい

・胃腸の調子は変わりやすく、気分によって食欲にムラがあり、時に大食いしますが体重はそれほど増えない

・お腹にガスがたまりやすく、どちらかというと便秘

・動作は素早く、物事をてきぱきとこなすことができる

・熱中しやすく、冷めやすい

・新しいことを素早く理解しますが、忘れるのも早い

・変化を好み、見切り発車で物事をはじめがち

・精力的で創造的ですが、一方で疲れやすく、しばしばがんばりすぎてしまうことも

・ストレスに対して心配や不安を感じ、自分を責める傾向にある

・睡眠は短めで、寝つきが悪かったり、夢をよく見て、夜中に目が覚めてしまうこともある

ヴァータが優勢の体質のあなたは、動作が早く、おしゃべりも大好きで、基本的に性格が明るく、人とコミュニケーションを積極的にとっていませんか?

そして、体格は痩せ型で風に吹かれて舞う葉っぱのように動きが軽快で、新しい情報にも敏感にセンサーが働き、いつもあちこちを飛び回っていることでしょう。

アーユルヴェーダのヴァータ体質の人の適職!クリエイティビティを生かした仕事がおすすめ☆

感受性が豊かで、聴覚や触覚に優れているヴァータ体質の方は、

・そのセンスを生かした音楽やイラスト、服飾、編集などクリエイティビティを発揮する仕事

・人前で話をするなどコミュニケーション能力を生かした仕事

が適職とされています。

ですが、「動きすぎ」「しゃべりすぎ」「感じすぎ」など環境からの影響を他の体質より強く受けることから、「疲れやすい」傾向になりやすいです。

そのため、ご自身としては、とても疲れやすいのに、じっとしていられず、寝つきが悪く、気持ちも不安定になりやすいのではないでしょうか。

実際、私自身のカウンセリングのクライアントの中でも特に日本人女性にはヴァータ体質の方が多いです。

それに、もともとピッタやカパとの複合体質であったとしても、毎日たくさんの情報に触れてイベントごとに顔を出し、コミュニケーションが過剰になりがちな都会暮らしの方はヴァータが過剰になりやすいんですね。

そして、年中ダイエットに夢中になり、痩せたスタイルにこだわる引き換えに、頭痛やめまい、慢性疲労、不眠などといった不定愁訴を抱えている方がとっても多いんです。

でも、ヴァータ体質の方はそもそもは感性が豊かで、周囲を明るくするムードメーカーさんが多いですね。

なので、いつまでもその感性豊かな心で人生を楽しめるように、疲れやすい自分の傾向を知って、温かく心地よい空間作りをして、たまにはゆっくりと、一箇所にとどまる時間を増やすようにしてもらいたいものです。

アーユルヴェーダのヴァータピッタ複合体質やヴァータカパ複合体質の特徴!

ヴァータの次にカパが優勢なヴァータ・カパ体質の方は見た目には痩せていて、細身であっても、目が大きく白目がはっきりとしていたりします。

また、ヴァータの乾燥性が軽減されて皮膚が乾燥肌ではない、といったことが考えられます。

一方、ヴァータの次にピッタが優勢なヴァータ・ピッタ体質の方は、見た目には痩せていても骨がしっかりとしていて中肉中背が多いですね。

そして、ヴァータの便秘しやすい傾向が軽減されて消化力がしっかりとしていて、お通じは問題ないといったことが多いです。

ただし、こうした複合体質についてはやや複雑なので、今回はヴァータ体質に絞ってチェックしていきますね。

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アーユルヴェーダでヴァータ体質の人の乱れの原因は「冷え」「油分の不足」「動きすぎ・しゃべりすぎ・感じすぎ」!

前述でお伝えしたとおり、あらゆる「動き」など重要な働きを持つのがヴァータエネルギーでしたね。

しかし、このエネルギーが多いヴァータ体質の場合、他の体質の人と同じように動いているつもりでも動きすぎていることが多いです。

また、コミュニケーションを楽しむばかりに人との接触が過剰になり、気づかぬうちに疲れていることが多いですね。

ちなみに、こうしたヴァータエネルギーには

・乾いている

・軽い

・冷たい

・移動する

という性質があるので、意識して油分をとっていないと乾燥したり便秘をしたり、体が冷えたりします。

そして、それによって不安な気持ちが生まれたり、といった乱れが起きやすいんですね。

そのため、調子が良い時には明るく、活発な表情で周囲の人と潤滑なコミュニケーションを行います。

ただし、不調になると体のあちこちに痛みを感じたり、心が不安定になりやすくなり、便秘が続き、体が冷えて、やがて顔色がどす黒くなるといった症状が現れます。

そこで、ヴァータの体質の乱れが起きたら、改善法としては

「温めて、良質な油分をとり、リラックスさせる」

がポイントになるんです。

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アーユルヴェーダでヴァータ体質の改善方法で食事のポイントは体を温めて、滋養をつける食事!生姜や黒胡椒などのスパイス、鶏肉などの食べ物がおすすめ!

他の体質の人よりも疲れやすく、冷えやすく、不安になりやすいヴァータ体質の人は、一年を通して基本的には体を温め、ホッと安心できる食べものを意識してとることをおすすめします。

そして、アーユルヴェーダでは食べ物を栄養面だけでなく

・体を温める温性

・体の熱をとる冷性

かなど、食べものの性質を重視しています。

例えば、生姜を食べると体が温かくなりますが、スイカを食べると体が冷えますよね。

それをイメージするとわかる通り、生姜は温性、スイカは冷性ということになります。

なので、体が冷えやすいヴァータ体質の人は、スイカのような夏の果物などを生のままで食べ過ぎてはよけいに冷えてしまいます。

また、いくら栄養価が高いとはいえ、コールドプレスジュースをがぶがぶ飲んでは、体が冷えてむくんでしまい、顔色も悪くなってしまうのですね。

そこで、ヴァータ体質の人におすすめしたい食事のポイントは次のとおりとなります。

アーユルヴェーダのヴァータを整える食事は温かいもの、まろやかな食感で栄養をつけて!ダイエットはNG!

温かく、栄養に富んだ水分の多い食事がヴァータ体質にとって最適な食事です。

逆に、イライラしたり、不安になったり、プレッシャーを受けている時に、甘いものや飲酒をしすぎるよりも、一杯のスープの方がヴァータ体質の人の症状を鎮静してくれるのです。

そして、ヴァータ体質の人は消化が不安定で、便秘になりやすいので、消化しやすくてやわらかい、しっかり調理されたものを食べるのが良いでしょう。

例えば、私はカウンセリングで次のようなメニューを紹介しています。

・鶏肉でとった出汁にお米、ネギ、生姜、にんにくなどを加えて卵を溶いた雑炊

こういうメニューは毎日忙しく働いている首都圏女性でもとりかかりやすいメニューのようで、早速作って食べているうちに、冷え性があっという間に治った!

という嬉しい感想を聞くことが多いです。

実は隠れ冷えなどが増えやすい夏の時期にもおすすめなので、黒胡椒をひいて食べてみてくださいね。

それから、ヴァータ体質の人はもともと痩せ型で、どちらかというと栄養が足りていません。

そのため、他の体質の人のようにダイエットをすると余計に具合が悪くなってしまい、体力を失って顔色が悪くなり、決して美しいとはいえません。

なので、よほどのことがない限りダイエットはせず

「滋養をつける」

ことで内面から美しい自分を目指すようにしましょうね。

アーユルヴェーダのヴァータ体質の人は自然由来の甘味や酸味で栄養価の高いおやつを食べよう!ハーブティーもおすすめ☆

不眠症やイライラ、不安などのバランスが乱れている症状があるなら、甘いものと気持ちを落ち着かせてくれるハーブティーがおすすめです。

ただ、甘いものといっても体を冷やす作用の強い白砂糖がたくさん入ったものでは逆効果です。

なので、りんごとシナモンを煮たデザートや、デーツのようにどっしりとして適度な油分を含んだドライフルーツがおすすめですよ。

そして、塩味も良いですが、同じ塩味でもカサカサとしたおせんべいの食べ過ぎはヴァータエネルギーを増やします

代わりに、アーモンドやナッツ類を摂ると良いですが、ナッツは消化に負担をかけるので少量にとどめるようにしましょう。

アーユルヴェーダでヴァータ体質の人にとってバター(ギー)などの良質な油分を加えたものは便秘改善にGOOD!

冷たく、軽くて、カロリーの低い食べものはすべてヴァータエネルギーを増やしてしまいます。

それにもかかわらず、ヴァータ体質の人はファッショナブルでおしゃれが大好きです。

そのため、モデルのように細い体型を目指してダイエットにいそしんだり、流行っている低カロリーの食事などを試しがちです。

それよりも、良質な油分を加え、温かい食事をとった方が体のめぐりも良くなり、内側からいきいきとした美しさを手に入れられると良いですね。

そこでおすすめなのが、

適度に良質なオイルを取り入れる

ことです。

近年、日本でもオイル美容が流行していますが、オメガ3など特別なオイルでなくても、アーユルヴェーダではオリーブオイルなど身近に手に入るオイルをおすすめしています。

中でも特に、インドのスーパーオイルといわれている「ギー」はヴァータ体質にぴったりなバターオイルで、無塩バターから水分とタンパク質を取り除いて作られています。

そして、純度が高く、滋養をつけるのにぴったりで、乾燥しやすいヴァータ体質の人の体を内側からしっとりとさせ、便秘改善にもとてもよく働くという特徴があります。

このギーの使い方は意外に簡単で、

・芋類を炒めるのに使う

・野菜スープの最後に加える

・パンにつける

といったように、オリーブオイルと同じように使うと、料理にコクと甘みが加わってとってもおいしくなるんですね。

他にも、

・シナモンやフェンネル、カルダモンのように甘みのあるスパイス

・マスタードシード、黒胡椒のように体を温める作用のあるスパイス

を常備しておき、普段のお料理にちょっと加えてみると良いでしょう。

アーユルヴェーダのヴァータ体質の人の朝食は温かく、消化に良いもので1日をスタート!

食欲もあったりなかったり、朝から疲れていることも多いのがヴァータ体質ですが、1日を始める朝のタイミングでしっかり栄養をとっておくことも大切です。

そこで、簡単に作れて体を温め、栄養も摂れるのが具沢山のスープや雑炊です。

例えば、前述で紹介したギーで旬の野菜を生姜と一緒に炒めて水を加え、ゆっくり煮て、岩塩で整えた具沢山の野菜スープはいかがでしょうか?

これであれば、身支度をしている間にできあがり、さらっと食べられて、栄養もたっぷり摂れるのでおすすめです。

こんな風にヴァータ体質の方は、汁物を意識して摂りつつ、

・簡単に作れるひと皿料理でも栄養をたっぷり摂れるようなおじや

・スープ系の料理

を自炊の基本にすることをおすすめします。

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アーユルヴェーダでヴァータ体質の人の運動はヨガがおすすめ!アロマでリラックスして睡眠時間など生活リズムを整えよう!

毎日たくさんの予定を詰め込んで、夜中まで動いてしまうヴァータ体質の方は、エネルギーを一気に発散させるためすぐに疲れやすくなってしまいます。

なので、激しい動きを伴うスポーツや短距離走、ヨガの中でもアシュタンガのような体に負荷をかける運動はおすすめできません

逆に、ゆっくりとした呼吸を感じる

・ハタヨガ

・ストレッチ

・散歩

などがおすすめです。

そして、汗をうっすらとかく程度を目安にして、毎日朝出かける前に15分~20分程度行うなど、無理のない範囲で行いましょう。

また、やりたいことが多すぎて夜中まで遊んだり仕事をしてしまったり、なかなか寝付けずに睡眠時間が不規則になりがちです。

それによって、疲れがとれず、余計に心の不安が増えて体調が悪化することも多いのではないでしょうか。

どんな体質の方でも生活リズムは安定させた方が良いですが、特にヴァータ体質のひとは時間を意識しましょう。

そして、毎日一定の時間に

・起きる

・寝る

・食べる

を行うことが大切です。

特に起床時間を揃えることは大切なので、土日であっても二度寝はしないようにしましょう。

そして、5時~7時の間に起床する時間を決め、そこから逆算して8時間程度の睡眠はできるだけ確保できるようにすると良いですね。

どうしても睡眠時間が確保できない方や、寝つきが悪い方はアロマオイルをディフューザーでたくなどして、眠る前のリラックス効果を高める工夫をすると良いですよ。

こうして体のリズムが整ってくると、不安定な生活をしていた時より元気な自分を実感できるでしょう。

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アーユルヴェーダでヴァータ体質の改善方法でオイルのポイントは体を温めること!太白ごま油がおすすめ!

アーユルヴェーダではオイルを使ったセルフケア法がたくさんあり、ヴァータ体質の方におすすめのオイルは「太白ごま油」です。

どんなスーパーでも手に入るこの太白ごま油は無味無臭で体を温める効果が強く、皮膚を通して体の内部まで浸透し、体の内側から保湿するとされています。

そして、アーユルヴェーダではオイルでマッサージをしてからお風呂に入り、発汗するというのがルールになっています。

なので、毎日の入浴前に頭皮や耳、足の裏などを中心に、リンパを流すように太白ごま油でマッサージを行い、ゆっくりと入浴をしてみてください。

ヴァータ体質のひとは皮膚が乾燥しやすく、じんましんなども起こしやすい傾向にありますが、こうした症状が少しずつ良くなっていくと思います。

もしもスーパーで買う太白ごま油に抵抗があるようであれば「生活の木」などに行くとアーユルヴェーダに基づいたマッサージ用のオイルが販売されていますので、チェックしてみてくださいね。

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アーユルヴェーダでヴァータ体質の人の特徴、また、食事や運動の仕方についてのまとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は、アーユルヴェーダでヴァータ体質の人の特徴、また、食事や運動の仕方などについて詳しくお伝えしました。

アーユルヴェーダでは人間も自然の一部としてとらえ、自然エネルギーに象徴される3つのドーシャ(体質)があり、今回はそのうちのひとつであるヴァータ体質の特徴や、食事や運動の仕方などについてお話ししましたね。

そして、ヴァータ体質

・動きすぎ

・コミュニケーション上手

・感性豊か

・冷え、乾燥、移動のしすぎ

などのキーワードが特徴的でしたね。

そして、感受性の豊かさやコミュニケーション能力の高さが良い方面に働くこともあれば、それによって体調を壊したり、不眠症に悩んでしまったり、乾燥肌や便秘に悩むことも多いのでした。

そこで、体質改善法には、

・安定した睡眠時間など正しい生活リズム

・温かく滋養に満ちた消化しやすい食事

・ゆっくりとした適度な運動

・体を温めるオイルトリートメント

などがおすすめなので、具体的なレシピなども交えてお伝えしました。

ヴァータ体質の方は楽しみがたくさんあって人と話すことやクリエイティブなことが大好きなはずです。

これからも楽しみを謳歌できるようにするためにも無理せず、できるだけリズミカルな暮らしをし、体に優しい栄養を摂って、バランスをとりながら暮らしていくようにしましょうね!

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