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アーユルヴェーダにおいて、アトピーのような皮膚病はドーシャ全てが悪化したことによって起こるとされています。
そこで、アーユルヴェーダでアトピーを改善するとしたら、石鹸の選び方やごま油を使ったオイルマッサージ、ハーブや食事についてどんなコツがあるか知りたいですよね。
それから、アーユルヴェーダでは、子供がアトピーにかかることについてどう言われているかも気になりますね。
そこで今回は、アーユルヴェーダでアトピーを改善するコツを3つにまとめてお伝えしていきます。
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目次
アーユルヴェーダでアトピーは何が原因と考えられる?治るためにはヴァータ・ピッタ・カパ全てのケアが必要!子供の場合は前世から受け継いだ人生のレッスン
かゆくてじゅくじゅくして、見た目にもストレスが溜まるアトピー性皮膚炎は本当に辛い症状ですよね。
その治療法としては様々なものがあり、即効的に症状を鎮静するステロイドの使用がまだまだ主流ですが、最近では脱ステロイドをして根本治療を行う方も少なくありません。
こうした「アトピー性皮膚炎」という名前の病気にはインドにはないそうですが、インド生まれのアーユルヴェーダでは、アトピー性皮膚炎のような皮膚病のことを、
ヴァータ・ピッタ・カパ全てのドーシャが憎悪した病
であり、
ベースはカパの憎悪が原因
と言っています。
アーユルヴェーダでアトピーの症状をドーシャ別にチェック!
ちょっと分かりづらいですが、アトピーの症状をドーシャで見てみると、
・肌がカサカサと乾燥している→ヴァータ(風)の増加
・発疹や湿疹、熱を持つ、炎症→ピッタ(火)の増加
・患部のじゅくじゅく、化膿→カパ(水)の増加
が想像できますでしょうか?
3つのドーシャが全て悪化して、毒素が蓄積した結果
としています。
こうした毒素というのは、体の中に消化しきれていない食べ物や飲み物などの未消化物と、悪化したドーシャ(病素)が溜まった状態のことを指します。
ただ、子供や、本当に小さな頃からアトピー性皮膚炎を患っている場合もありますよね。
これについては、アーユルヴェーダでは、
プララーフダカルマ(今世で解消するべきカルマ、行為)
の一種と伝えています。
そして、アーユルヴェーダの根底に流れるインド思想では、輪廻転生が前提にあるので、前回の生での行いが次の生へ影響を及ぼすとしています。
なので、アトピー性皮膚炎を患ったからといって前の生がどのようであったかは一概には言えないのですが、皮膚病は身体的にだけでなく、心理的にも辛い病気です。
そのため、アーユルヴェーダでは、こうした治りにくく、心身ともに辛い病気のことを
人生のレッスン
といった表現で表しています。
なかなか子供時代からのアトピー性皮膚炎は辛いものがあると思いますが、患ったことにも意味があると理解すると、解消に向けて前向きになれるかもしれません。
アーユルヴェーダの治療でアトピー性皮膚炎を治すにはパンチャカルマが必要
アーユルヴェーダでは、慢性的な疾患であり、ヴァータ・ピッタ・カパ全てのドーシャが憎悪したことで起こるアトピー性皮膚炎を治すには、
・パンチャカルマ
と言われる本格的な「浄化療法」を行うことをおすすめしています。
そして、アトピー性皮膚炎の場合は、はじめに吐き出す催吐法を行い、そのあと下剤を用いた催下法を行うと良いとされています。
そして、前処置や術後の過ごし方・回復食なども多くの注意点があり、これはアーユルヴェーダの専門医のもとで診察を受け、正しく測り、正しい方法で行わなければなりません。
こうしてパンチャカルマを正しく行うことで体内の憎悪したドーシャや老廃物が排泄され、健康状態を取り戻すことができるのです。
ただし、日本国内には本格的なパンチャカルマを受けることができる施設はありませんし、インド・スリランカの専門の治療院で受けようとすると、
・金額(これは治療院によってピンキリです)
・期間(少なくとも1ヶ月の余裕があった方が回復も良いそうです)
の問題があって、なかなか難しいのです。
そこで、専門的な治療は難しくても、アーユルヴェーダ的な観点で、アトピー性皮膚炎の改善を目指した食事や暮らしの知恵をお伝えしていきます。
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アーユルヴェーダでアトピー改善のコツ①:食事は毒だしご飯
アーユルヴェーダにおいて、アトピー性皮膚炎が生じる原因は、ドーシャの憎悪と、毒素の蓄積とお伝えしましたね。
この毒素は、
正常な排泄と浄化
が行われていないことで蓄積します。
私たちは毎日食事をし、飲み物を飲み、空気を吸って、活動をしていますし、時に消化がしづらい化学成分なども意図せずに吸収しています。
それによって老廃物や不純物が発生するのは自然なことです。
外から栄養物を摂り、代謝をして生命を維持していかなければならない生物であれば、なんらかの形でそういったものを排泄する仕組みになっています。
ただし、これを毎日定期的に排泄し、毒素を浄化することを、アーユルヴェーダは現代医学よりもはるかに重視しており、治療において必要不可欠な要素です。
ただ、前述の通り、本格的な浄化療法を受けるのは難しいので、私たちは日頃から、
定期的で、理想的な排便や排尿
を行い、
心身ともにリラックスをした睡眠
を摂り、日々濁りのない体づくりをしていくことがとても大切です。
そうはいっても難しいし、体の中にどれくらい毒素が溜まっているかわからないという方は、次のような毒だし効果の高い料理をチェックして、作ってみましょう。
アーユルヴェーダでアトピーを改善するならスープや蒸し野菜の料理がオススメ!
お肉の中でも牛肉や豚肉、チーズやバターたっぷりの乳製品、脂っこい揚げ物などなど、美味しくて人気のある食材は消化に重たいものばかりです。
そして、消化力というのは人それぞれですし、季節によっても変動しますが、消化に重たいもばかり時間・期間を問わず食べ続けていたら、誰でも未消化物を溜め、毒素が蓄積します。
そこで、アトピー性皮膚炎を患っている方でも、そうでなくても、毒素を溜めないためには、
消化に良い料理
を取り入れることから始めてみましょう。
具体的には、
・スープ
・蒸し野菜
など消化に良い温かい食事がおすすめです。
食材では、
・アスパラガス
・小松菜
・にがうり
・かぼちゃ
・古米
・クミン
・ターメリック
・ギー
などがおすすめで、野菜に関してはその季節の旬をとるのが一番良いですが、アスパラガスはどのドーシャも鎮静する優れた食材とされています。
アーユルヴェーダでアトピーを改善するなら新鮮で有機の食材を摂ろう!
アトピー性皮膚炎の中でも、
・痛みを伴う場合はヴァータ
・赤みや発熱を伴う場合はピッタ
・腫れやかゆみを伴う場合はカパ
が特に乱れていると考えられます。
そして、前述でもお伝えしたとおり、カパの憎悪がベースにある病気なので、まずはカパが鎮静されるように、
かゆみなどアレルギー性の反応が出やすい乳製品、ネバネバした食材
などを避け、
・苦味
・渋味
を多く含んだ野菜と穀物を中心に摂りましょう。
このとき、アトピー性皮膚炎が出るほど毒素が蓄積しているのは「オージャス」が低下していることが考えられます。
オージャスというのはアーユルヴェーダの言葉で「生命力」と訳され、その言葉通り生きる力です。
オージャスは誰もが最初から、生まれながらにして持っているもので、増えると体に力がみなぎり、精神的にも安定してくる大切な要素です。
逆に減ると肌に症状が現れ、精神的にもイライラし、それが原因となってますますオージャスが減少します。
このように書くと、オージャスはまるで妖精がまく粉のような特別なもののように感じますが、
普段の食事にオージャスをたっぷり含んだ食材を意識して取り入れるだけ
でその質が変わります。
オージャス、つまり生命力がたくさん含まれた食材というのはつまり、
・新鮮
・地元で採れる
・安全性の高い有機で育てられている
・季節に必要なエネルギーを蓄えた旬の食材
と言う食材になります。
でも、オーガニックって高いのでは?と思った方におすすめしたいのは、オーガニック食材の専門店に行くことではなく、近所の直売所を訪ねてみることです。
東京都心では難しいですが、都内でも西の方であれば意外と地元の農家さんはたくさん活躍されていますし、最近ではJAの直売所もたくさん増えましたよね。
こうした場所で週に一度でも良いので旬の野菜を買い、それを使って蒸し料理を作ったり、スープなどの消化に良いものを作るよう心がけてみましょう。
見違えるように肌がいきいきとしてくるかもしれません。
アーユルヴェーダでアトピーを改善するなら食事の仕方にも気をつけよう!
忙しくしていると、食事の内容だけでなく、食事の仕方もおろそかになってしまいます。
例えば、
・人と会話をしながら
・ケータイを見ながら
・移動しながら
・考え事をしながら
などなど、ながら食いをして、食事に集中できていない方が多いのではないでしょうか?
これでは満足感もなく、何を食べたか思い出せない方もたくさんいると思います。
そこで、アーユルヴェーダでは食べ方についても詳しくお伝えしていて、
・落ち着いて、座って食べる
・完全に空腹になってから食事をする
・満腹の4分の3程度で止める
が大切としています。
なんだそんなことか!と簡単に思えますが、きちんと座り、食事内容に集中して一人で、ゆっくり食べると、いつもと全く満足感が異なることに驚く方は多いようです。
なので、前述でお伝えした「消化に良い食事」「新鮮でオージャスに溢れた食材」を使った料理を、感謝しながらゆっくりと、一人で味わってみてくださいね。
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アーユルヴェーダでアトピー改善のコツ②:ごま油を使ったオイルマッサージは禁忌!ハーブのニームを使った石鹸や水で洗顔&アーユルヴェーダの塗り薬で保湿
アーユルヴェーダでアトピー性皮膚炎というのは、
・ヴァータ
・ピッタ
・カパ
全てが憎悪している結果とお伝えしましたね。
そして、症状の重さは人それぞれだと思いますが、アーユルヴェーダのセルフケアの基本である
アビヤンガ(オイルマッサージ)
は炎症を起こしている時には禁忌とされているのでできません。
皮膚が乾燥しているヴァータ的な症状が優勢の時には、セサミオイルを使ったマッサージは有効のように見えるかもしれませんが、実際にはピッタもカパも憎悪しているのです。
何より、
毒素が蓄積
していると、カパエネルギーが憎悪し、体内の経路は塞がれていることが考えられます。
こうした状態でオイルを投入するとどうなるかというと、ますます経路が塞がってしまうのです。
そのため、アトピー性皮膚炎の方がアビヤンガをする場合は、素人の判断で行わず、専門的なアーユルヴェーダの治療院で、ドクターが必要と判断した時のみにしてください。
とはいえ、辛いかゆみや乾燥を少しでも早く治めたいですよね。
その場合、ご自宅でできるおすすめの方法が二つあります。
・ニーム水やニーム石鹸で洗う
アーユルヴェーダの薬草の中でも皮膚の疾患にもっとも良いとされているのが「ニーム」です。
ニームは特にヒリヒリして熱を持ったピッタの皮膚疾患やかゆみを伴うカパの皮膚疾患に効果的な薬草で、インドでは「村の薬局」という呼び名で呼ばれているくらいだそうです。
そして、優れた抗菌作用と免疫力を上げてくれる効果があるので、アトピー性皮膚炎の改善に効果的です。
・シャタ・ドゥルタ・グルタ
シャタ・ドゥルタ・グルタはアーユルヴェーダドクターの薬局で製造されている塗り薬で、ミルクから精製されるギーを銅の容器で3日間練り続けてできています。
そして、アトピー性皮膚炎の乾燥からくるかゆみを緩和する効果が非常に高いので、ニーム水で洗ったあとに、このシャタ・ドゥルタ・グルタを塗ると、改善されます。
こうしたニームやシャタ・ドゥルタ・グルタは日本ではなかなか入りにくいので、上記の商品のリンクにあるマハラジャロードなどで購入するようにしてください。
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アーユルヴェーダでアトピー改善のコツ③:もっとも大切なのは「規則正しい」生活習慣!
アーユルヴェーダのアトピー性皮膚炎の改善について、
・献立や食材を工夫した食事や食事の仕方
・ニームやシャタ・ドゥルタ・グルタを使った体のケア
についてお伝えしてきましたが、それ以上に大切なのは、
規則正しい生活
です。
アーユルヴェーダで健康を維持するためにもっとも必要なことは、
自然の摂理に寄り添うこと
としています。
そのため、
日が上ったら起床し、日が落ちたら就寝する
とまでは言わないですが、
夜更かししたり、昼まで寝ない
ということは大切で、一定のリズムで起きて寝るといったことがとても大切になってきます。
そして、
・食事
・排泄
・運動
も規則的に行いつつ、必要以上にしないことも大事で、バランスをとりながら生きていくことが病気から体を守るのです。
そのため、アトピー性皮膚炎を改善するためにも、お伝えしたような食事やケアは行いながらも、
・睡眠リズムを整え、睡眠の質をあげる
・適度な運動を行う
といったことも忘れないようにしてくださいね。
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アーユルヴェーダでアトピーを改善するためのポイントまとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は、アーユルヴェーダでアトピーを治すコツで、石鹸やオイルと食事などについて詳しくお伝えしました。
アーユルヴェーダでは、アトピー性皮膚炎について、ヴァータ・ピッタ・カパ3つのドーシャが全て憎悪し、毒素が蓄積したことが原因で起こるとしていましたね。
そして、ごく幼少期の子供でも患っている場合は、前世から受け継いだカルマの一種という考え方もあることをお伝えしました。
このように複雑な症状のため、まずは食事から改善していくと良いのですが、そのポイントとしては、
・消化力が落ちているため消化に良い、温かいスープや温野菜
・新鮮で、地元で育てられているもので、旬の有機の食材
などを、
感謝して、落ち着いて、できれば一人で、ゆっくりと食べる
ことが挙げられるのでしたね。
次に、
・炎症を起こしている状態なのでごま油などを使ったオイルマッサージは禁忌
なのですが、
・抗菌力が高く、免疫効果をあげる作用のあるニームを使った石鹸やニームを溶かした水で洗い
・シャタ・ドゥルタ・グルタで保湿する
セルフケアをおすすめしました。
こうした食事やケアはもちろんのこと、そもそも規則正しい生活をしていることは大切で、
・睡眠
・食事
・運動
を季節と体質に合ったものに整えていくことが前提になるので、辛い症状ではありますが、できることから着々とやっていくようにしましょうね。
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