アーユルヴェーダの意味や歴史

アーユルヴェーダとは何か?医学的な意味や根拠と日本での歴史!

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世界三大医学の一つとされる「アーユルヴェーダ」は健康にも美容にも良いとされているので、最近気になってきている方が多いのではないでしょうか?

そこで、初心者さんにもわかりやすいように、アーユルヴェーダとは何か、その意味や医学的根拠、日本やスリランカでの歴史、哲学といったことが知りたいですよね。

それから、アーユルヴェーダはWHOでも認められている代替医療であり、予防医学なのですが、それも日本人にとっては意外なのではないでしょうか。

そこで今回は、アーユルヴェーダとは何か、その医学的な意味や根拠と日本での歴史などについてお伝えしていきます。

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アーユルヴェーダの医学的な意味は「生命科学」!WHOでも認められている予防医学で生きる哲学!

アーユルヴェーダとは、サンスクリット語のアーユス(Ayus・生命)とヴェーダ(Veda・科学)を組み合わせた「生命科学」という意味をもちます。

そして、5000年の歴史を持つインド・スリランカ発祥の伝統医療で、数多くの体系だったアーユルヴェーダ療法が文書記録よりも前から存在し、口頭で伝承されてきました。

その後、三大古典として知られている

・チャラカ・サンヒター

・スシュルタ・サンヒター

・アシュタンガ・フリーダヤ

の3冊の医学書が2000年以上前にサンスクリット語で書かれ、現在もアーユルヴェーダの重要な教本とされています。

そして、こうしたアーユルヴェーダの基本的な考えには、

・人

・健康

・宇宙

との間の万物相互関係性、個人の体質などのコンセプトがあるのですね。

ちなみに、インド・スリランカでは今でもこうしたアーユルヴェーダ療法を行う治療院が数多く存在します。

そして、アーユルヴェーダドクターは薬草や独自の成分による薬や食事療法、運動、生活習慣の提案により、個人に応じた治療を行います。

このようにお伝えすると一見、一部の国にのみ受け継がれている独自の療法のようですね。

でも、実は1997年にはWHOでもアーユルヴェーダを予防医学として正式に認証し、21世紀にふさわしい代替医療として広く知られています。

そして、病気の症状を抑えることを目的とする現代的な西洋療法と併用して行うことのできる補完医療として、アメリカを中心とした世界中の国々で実践されているのです。

アーユルヴェーダの意味や目的は「健康な人の健康を護り、病人の病気を鎮静すること」!よりよく生きるための哲学的な要素も

アーユルヴェーダはお伝えしてきたとおり「生命科学」の意味で、健康で長生きするための実践的知識です。

その目的は、

健康な人の健康を護り、病人の病気を鎮静することである

としています。

つまり、西洋医学のように病気の症状を取り除くのではなく、より健康に、長寿や若さを保つことを目的とした予防医学なんですね。

そして、オイルや薬草を用いたトリートメントは心身を浄化し、若返りを促進するものとして、日本でもエステサロンで行われていますね。

それから、アーユルヴェーダは5000年もの歴史があり、そもそもはインドのリシと呼ばれる賢者たちによって体系化された高度な生命哲学で、医学という一領域を逸しています。

そして、心と体を一面的に捉え、心身のバランスをとることがアーユルヴェーダの考え方、つまり哲学の基礎となっています。

アーユルヴェーダは、瞑想・ヨーガ・オイルマッサージなどを通して家庭でも実践できる予防医学

アーユルヴェーダの医学体系を私たちの生活にも取り入れやすい形にし、

・瞑想

・ヨーガ

・オイルマッサージ

・呼吸法

・ハーブやスパイスを用いた食事療法

などを通じて行うことができます。

そして、日々のちょっとした不調を調整し、病気を予防することができるようになるので、アーユルヴェーダは予防医学の要素もあります。

このとき、アーユルヴェーダでは「ドーシャ」と呼ばれる3つの体質「ヴァータ」「ピッタ」「カパ」で個人の体の状態を把握するとしています。

そして、不調が生じたときには、もともとの体質の傾向と、どのドーシャの増加が原因となったかによって対処法が異なるので、まずは自分の体質の傾向を知ることがポイントになります。

それから、アーユルヴェーダでは食事や生活習慣の改善を行いますが、風土や食文化、インド人との体質の違いから、経典に書いてあることをそのまま実践できないことがあります。

例えば、インドでは牛を神と捉えていて、牛乳は牛にストレスがほとんどない状態で絞られており、アーユルヴェーダでは牛乳を完璧な食材として捉えています。

しかし、日本人はインド人ほど牛乳を分解する消化酵素を持っていないため、アレルギーを起こしたり、消化不良になる方が多くいます。

そのため、日本人は日本人ならではの風土を尊重し、あくまで自分たちの体が慣れた食材を基本として、アーユルヴェーダに寄り添った食事や生活習慣法を考えながら実践する必要があるのですね。

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アーユルヴェーダは奈良時代に日本に入ってきていた!スリランカなど歴史を紹介

世界で一番有名なインド人と言えば「ゴータマ・シッダールタ」、つまり、お釈迦様ですね。

彼が生まれた紀元前5世紀頃のインドでは、すでにアーユルヴェーダは医療として確立されていました。

そのため、アーユルヴェーダ医のジーヴァカはシッダールタの主治医であったと仏典の中でもよく出てきます。

そして、アーユルヴェーダはインドから、スリランカ、チベット、モンゴル、ミャンマー、カンボジアへと伝わり、日本には1200年前、奈良時代の頃、仏教と共に奈良に伝わったとされています。

その証拠として、アーユルヴェーダの神様と言われるダンヴァンタリ神の絵や置物の左手には、不老長寿の甘い蜜「アムリタ」の入った壺がありますね。

こうして、仏教とともに日本に伝わり、ダンヴァンタリ神は薬師如来像として日本でも祀られるようになりました。

それから、奈良東大寺の正倉院にはアーユルヴェーダの代表的な薬草である

・ハリタキー

・アーマラキー

・ピッパリー

が収められており、薬草を使った医療が実施されたことを表しています。

そして、薬物の出納張「種々薬張」にもアーユルヴェーダの薬草についての記述がたくさんあります。

特に、ハリタキーは頻繁に使われていたことが記述として残っているそうなので、おもしろいですよね。

また、同じ時代には義浄という唐のお坊さんが12年間インドへ留学して書いた大乗仏典「金光明最勝王経典」が現在も奈良国立博物館に国宝として収蔵されています。

この中に、疾病の原因とその症状ごとの治療法が説かれているのですが、ここでは、

・季節

・地域

・時間

・体質

によって治療法を選択し、病状によってどのような選択をするのが良いかを示しています。

これはまさに、アーユルヴェーダと通じるところがありますね。

それから時を経て、アーユルヴェーダが日本で再認識されたのは1970年代です。

当時の大阪大学教授の丸山博氏が幡井勉氏とグジャラート・アーユルヴェーダ大学を訪問した際、アーユルヴェーダのすばらしさに心を打たれ、日本でアーユルヴェーダ研究会を設立しました。

その後、幡井氏は「東洋伝承医学研究所&畑井クリニック」を設立し、東洋医学と西洋医学の融合した診療を目指します。

そして、1994年には同研究所でアーユルヴェーダの教育プログラムを開始し、メイン講師にクリシュナU.K.を招き、幡井氏、西川眞知子氏、上馬場和夫氏らが補助につき、公的認知が広まりました。

今では関東圏を中心に全国にアーユルヴェーダのサロンができ、トリートメントやカウンセリングを通じて一般の人がアーユルヴェーダに触れる機会はずいぶん多くなりましたよね。

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アーユルヴェーダに現代医学的な根拠はないけれど、経験医学であり、れっきとした体系的医学

アーユルヴェーダ療法では様々な薬や施術が行われます。

そして、アーユルヴェーダ薬には薬草単体、またはラサ・シャーストラと呼ばれるアーユルヴェーダ技法で、薬草、金属類、鉱物類、もしくはその他の原料の併用から作られます。

こうした薬の一部は、適正に使用されない、あるいは熟練した医師の指導がない場合は有害となる可能性があります。

そして、その多くは比較対照臨床試験で安全性が検討されておらず、現代医学的な根拠はありません。

そのため、アーユルヴェーダ療法で使われるマッサージ、特殊な食事療法、浄化法といった治療法でも副作用が生じる可能性はゼロではないのです。

こうしたことから、すでに西洋医学の病院で治療中の病気をお持ちの方は、アーユルヴェーダ的な治療を受ける際にはかかりつけの医師に相談する必要があります。

とはいえ、スーパーで買えるココナッツオイルやごま油を使ったマッサージやうがいなど、暮らしの中で行える健康法には問題はありませんので、できることを取り入れてみてくださいね。

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アーユルヴェーダの意味や医学的根拠と歴史のまとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は、アーユルヴェーダとは何か、その医学的な意味や根拠と日本での歴史などについてお伝えしました。

世界最古の伝承医学「アーユルヴェーダ」とは、

生命の科学

という意味で、WHOでも予防医学として正式に認証されている代替医療で、世界中の国々で補完医療として受け入れられているのでしたね。

そして、よりよく生きるための哲学的な要素もあり、

・瞑想

・ヨーガ

・オイルマッサージ

・食養生

などを通して、普通の暮らしでも実践できる予防医学なのでした。

そして、実は奈良時代に日本にも上陸したことやスリランカを含めた歴史を紹介し、近年もう一度再認識されて現在広まっていることをお伝えしました。

こうしたアーユルヴェーダの治療で使われる薬は、まだ安全性が確立されていないものが多く、現代医学的な根拠は少ないのですが、経験医学であり、れっきとした体系的な医学なのでしたね。

そして、アーユルヴェーダのポイントとは、

・自分の体質の傾向を知り、

・得意なもの、不得意なもの

を理解して普段の暮らしでバランスをとっていく予防医学的な考え方ですので、健やかな暮らしのためにも、現代医学をサポートする形で、気軽に取り入れてみてくださいね!

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